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農業芸術が変える食のマーケット

日本でも市民権を得た「ノウギョウ・アート」だが、もともとは世界でも屈指の農業国であるフランスで生まれた概念だ。日本におけるノウギョウ・アーティストの第一人者である岡本次郎は「これまで農業を産業としてとらえていたことが、最大の誤りだ。農産物は舌で感じる味、鼻で感じる香り、目で楽しむ色や形、健康な身体を創る栄養などを創造することからすれば、総合芸術である」と静かに語る。
こうした「ノウギョウ・アート」の思想が広まった背景には、人気TV番組「何でも、かんでも鑑定談」でノウギョウ・アート評論家の中嶋氏が「この大根の肌には景色があり、みずみずしい味には幽玄な湖水が見える…」と言ったコメントなどが生活者たちの心を揺さぶったようだ。

 今では高級スーパーなどは売り場を「ギャラリー」と呼ぶようになり、ここで売られているパック野菜はカタチや色が揃ったはものは見向きもされず、「不揃い」にこそ味わいがあると高値で販売されている。味も例外ではなく、一本一本が違うことを示すためにアーティスト(かつては生産者とよばれていた)のサインが入ったシール付きのキュウリやトマトなどは人気が高い。かつては虫食いがあるとして廃棄されていたキャベツは、虫食いの穴の数、大きさの違いによってプレミアムがつき、クリスティーズオークションの農産物部門で高値がつくことも珍しくない。

 まさにノウギョウ・アートが食のマーケットのあり方を根本からくつがえしつつある。

投稿日: 2012/01/28 18:53:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

コメント

農業は芸術である、というのはとてもいい見方だと思います!

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