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投書:トイレで流すスイッチが分からず混乱しました。(フェルディナント=ゲッツェ・30歳・男・コンピュータエンジニア)

 私は日本のIT企業にエンジニアとして3年ほど前から勤めています。前からどこかで言おうと思っていたのですが、今日はついに我慢ができなくなったのでこの投書を書いています。私が英語で書いて、ガールフレンドのマサコに翻訳してもらっています。

 先日、私はマサコと一緒に、新宿のとある高級レストランに入りました。そして少し時間が経ってからトイレに行き、用を足して水を流そうとしました。が、そのトイレは私がこれまでに経験したことのないタイプで、銀色のバーにたくさんのスイッチが並んでいて、どれがスイッチなのか分かりません。

 スイッチには日本語が書いてあるのですが、残念ながら私にはまだ日本語が読めません。しかもスイッチは全部同じ形をしていて、区別が付かないのです。

 私はとても焦りました。このままでは「必ずすぐに戻るよ。」と約束したマサコのところに戻れません。やろうと思えば知らんぷりで私の生産物を放置して戻ることもできたのですが、たまたま運悪く私の次に待っている人が外にいたのでした。もし放置して出てしまったら、間違いなく「トイレに○○○を放置して平気で出てきた無神経な外国人」のレッテルを貼られてしまいます。場合によってはわが祖国の名誉にも関わる一大事です。もしかしたらレストランの店員に通報されて、愛するマサコの前で注意されるかもしれない・・・などと考えているとパニックで頭の中が真っ白になったのです。

 が、そのとき、「落ち着け、フェルディナント。神は乗り越えられない試練をお与えにならない。このたくさんあるスイッチの中には必ず『流すボタン』があるはずだ。1つ1つ押して行けば必ずや○○○を流すことができる。」という声がどこからか聞こえてきました。これが、私の心の内側から来た声なのか、それとも死んだ祖父の声だったのかはとても動揺していたので今となっては分かりません。とにかくそんな声がしたんです。

 その声のおかげで冷静になった私は、その銀色のバーの右の方にあるスイッチを順番に押していきました。すると、便器の蓋が開いたり閉じたりし、しまいには水が飛び出してきて私のズボンにかかりました。しまった・・・ 

 なかなか成果が出ない中、我慢して続けたところ、ついに「ジャー!」という音と共に水が流れ出しました。一瞬喜んだのも束の間、私の生産物が全部は流れない。どうやらこれは小便用のスイッチだったようです。そこで更に左のスイッチを押したところ、再び「ジャー」の音がさっきよりももっと大きく響き、水がたくさん流れたのでした。このスイッチこそ、「大」用でした。よく見たら、この漢字は去年の夏の終わりに京都の山に大きく火で描かれたのを見たことがありました。

 私はあまりの感激に思わず、トイレの中で、“I made it!”(マサコ訳注:やったぁ!)と叫んでガッツポーズをとってしまいました。外で待っていた人は、わけの分からないガイジンがトイレで叫んでいることにきっと動揺したことでしょう。ごめんなさい。そういう事情でした。

 私は、今回の体験で、もうこれ以上私のような悲惨な思いをする外国人が現れないように、今回の投書をすることを決意したのです。私のメッセージはただ一つ。「トイレの流すスイッチは大きく、分かりやすくしてください!」だけです。同じ形のスイッチが並んでいると、本能的にどれが、流すボタン(これがトイレでは最重要です!)なのか分からないです。人間工学的にもおかしいです。ドイツにはこんなに分かりづらい製品はありません。

 写真は、トイレの水が流れた興奮のあまりにブレてしまいましたが、話に出てきた銀色のバーそのものです。

 妙なお話を書いてしまいましたが、この点を除けば私は日本が大好きです(もちろん、マサコはもっと好きです)。なんの不満もありません。これからもずっと気持ちよく日本で暮らしたいと思うので、是非トイレの改善をよろしくお願い致します。

投稿日: 2013/01/05 22:35:50 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

コメント

日本での「トイレの流すボタン分からない問題」については話を聞いたことがある。もちろん2036年の時点ではとうの昔に解決されていた。ただ、一部の古いトイレではまだこういう不便なものが残っているらしい。

ジョン・タイター (日付:

"I made it!" のところで爆笑してしまいました。リアルで臨場感のある記事がさすがオラクル記者ですね。そして、トイレの改善が早くなされるといいですね。ボタンの形状も位置もまちまちでわかりにくいですよね。

日プレ (日付:

日プレさん、コメントありがとうございます(^^) 嬉しいです。実は私でもトイレで一瞬混乱したことがあります。それは恵比寿のモンスーンカフェでした。どこにもないのでパニクりましたが、床に踏むタイプのボタンを見つけ、ホッと胸をなでおろしたのをよく覚えています。

オラクル (日付:

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