忙しい現代人には、ゆっくり映画を見る余裕がないのだろうか、名作映画を集めたダイジェスト版DVDが好評だ。同DVDでは、映画の１作品を約10分程度に切り縮めて、30作品がひとつにまとまって入っている。10分間の各作品においては、あらすじのナレーションとともに有名なワンシーンが次々に流れる。コンパクトに各作品の概要がわかり、5時間で映画通になれる。
同DVDを発売する21世紀フォックスの担当者は言う。「これまでは著作権の問題があって、こうしたダイジェスト版DVDはなかなか出来ませんでした。が、粘り強い交渉で著作権をクリアした作品を集めました。ダイジェスト版で見てから、本物のDVDを買う方もいらっしゃるので、導入にはもってこいではないでしょうか」。
なるほど、映画の名作はひとつの文化と言っても過言ではないくらい、社会的影響力が高い。にもかかわらず、ストーリーすら知らない映画が多いのは私だけではないだろう。同ダイジェスト版DVDでは、例えば「タイタニック」では、船頭で両手を広げるシーン、船が垂直に沈没していくシーンなど、有名な描写を織り込みつつ、10分間でちゃっかりと理解・堪能させてくれる。ほかにも、「カサブランカ」、「アラビアのロレンス」、「ローマの休日」、「第三の男」などなど、濃密な描写でどんどんわからせてもらえる。
一部の映画通からは、「こんなのでわかった気になってもらっては困る」という声が上がっているが、忙しい日常にかまけて何も映画を見ないよりはマシ、せめてあらすじと名場面だけでも見ておいて、会話の種にしたいというのが購入者らの本音のようだ。本は書評で済ます、カラオケはメドレーで済ますなど、つまみ食いで広く浅く知っておきたい嗜好の人に向いているようだ。販売元の21世紀フォックスでは、好評を受けて第二弾、第三弾のダイジェスト版DVDも発売予定だそうだ。
投稿日: 2012/03/22 17:19:54 (JST)
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