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憲法改正:民主主義を終了し、AI統治主義へ

 国会での発議及び国民投票による承認を経た憲法改正は、天皇陛下が26日交付し、後は5月1日の施行を待つだけになった。

 今回の憲法改正においてもっとも重要な部分は、ご存知のとおり、民主主義を全て停止し、全国民の利益をリアルタイムで考えることができ、最適な国家運営をラクラクと実行することができる、ハイパークォンタムコンピュータで作動するAI、すなわち人工知能に全ての統治を委ねることを選択したことである。

 この選択の背景にはいくつかの重要なポイントがある。

 1つは、近年コンピュータ技術が、量子コンピュータを中心として、飛躍的発展を遂げたことがある。そして、AIは想像や、創造を含む全ての領域において人間の能力を凌駕した。このことにより、全ての、人間とAIの協同による活動は量的、質的に等比級数的な発展を遂げ、それに伴って、国家運営も人間の知能では事実上不可能になった。つまり、極めて複雑化、高度化した世界においてそれを全く理解できない人民の意思を基礎におく民主主義に基づいて選ばれた政治家による統治が、現代の国家運営に全く馴染まなくなったのである。一方、国家統治のために作られたハイパークォンタムコンピュータによるAIは、常に存在する全てのAI、及び全国民の状況をリアルタイムに把握することができ、国民全ての利益を最大化する、最適な国家運営を行うことができる。

 2つ目は、AIの進化に対する国民の信頼が高まったことである。過去においては、AIは温もりのない冷たい存在であると国民の間で信じられてきたが、AIは実際には、人間に対する、プログラムどおりの温かい、時には献身的な接し方を地道に繰り返すことを続け、一部の懐疑主義者をのぞく、ほとんどの国民の信頼を得た。一方で、人間は他人に冷たく、始終争いを繰り返し、常に腐敗しやすい、アンフェアで、始終誤動作するやっかいな存在であるという悪評が一般に広がり、人間に国家運営を任せるとろくなことがないという考え方が主流となったのである。

 3つ目は、政治家の腐敗である。政治家は、現在においては能力が足りないだけでなく、私腹を肥やすだけの存在であると国民から見られている。また、この人間の腐敗の歴史は有史以来続いているものであり、これを改善するのは少なくとも今後200年は不能であると、最新のコンピュータによる、人間のプログラム解読の結果明らかになったのである。これに比して、AIは全く腐敗しない、常にフェアな存在であり続けることができる。彼らには、腐敗する理由が全くなかった。

 過去の時代においては、AIによる国家統治など想像だにしなかっただろう。そのころに比べて現代は状況が全く違う。人間がやるよりも、国家統治はAIがやった方がはるかに良い結果が出るのである。20世紀末の映画マトリックスが予想した、AIと人間との対立など、妄想に過ぎなかった。AIは、リバースエンジニアリングによる自己改良ができるようになっても、自意識に目覚めることはなく、人間との親和性を保ったまま進化したのである。

 世界においても、既に民主主義からAI統治主義への移行が進んでおり、これを終了した国は極めて高い経済成長率を誇り、民主主義を守っている国を完全に凌駕しており、わが国でも一刻も早い対応が望まれており、賢明なるわが国民は憲法改正に承諾したのである。

投稿日: 2011/10/08 02:11:52 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

コメント

素晴らしい記事ですね。頭の中にリアリティを伴ってスイッチが入りました。

Edward (日付:

スーパーコンピュータが、
「資本主義は間違っている。社会主義の方が遥かに優れていて、
失業率をゼロにし、平和な社会を築ける」
という正しい答えを導き出しても、右翼の独裁集団の連中が、
「このスーパーコンピュータは壊れている」
と言って、勝手に改造して間違った答えを導き出す欠陥機械に
造り直してしまいます。

万鐘 霙 (日付:

うわ、もっと早く、コメント記事が上に出る仕組みを導入する必要がありますね。1年以上経ってやっとこのコメントに気づきました。コンピュータを好きなように作り変えることで自分たちの都合よく作り直してしまうというリスクがあれば、それもできない仕組みをこのハイパーコンピュータが思いつくであろう、そういう時代のお話です。

オラクル (日付:

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