投書:新科目「未来」の授業を参観(大阪・35歳・会社員・男)

 先日、今年4月から全国で始まった新科目「未来」の授業参観に行って来ました。
 
 娘がちょうど今年から中学生になって初めての授業参観です。

 「どんな授業をやるんだろう?」

 私は普段、教育関係の会社に勤めていることもあり、興味津々で授業に臨みました。

 早速始まった授業。私たち父兄はあらかじめ、これまでの授業の流れが書いてあるプリントを受け取っています。ここまでは「未来のことを考えることの意味」、「日本の未来」、「社会の未来」、「自分の未来」と言った学習をしてきたようです。

 そしてこの日の内容は、「勇気を持って前に進む」でした。

 思い切った内容にかなりの興味を持ったのか、父兄の数はとても多く、教室から溢れそうでした。

 早速始まった授業。

 先生が最初に、「未来を切り開くためには勇気が必要。」、「勇気を持つためには友達同士で互いに励ますことが大切。」、「失敗することを恐れぬこと。」、「未来は100の失敗の上に切り開かれていく。」などの内容を話します。

 ふむふむ、と聞いていると今度はいきなり父兄に先生から質問が飛びました。

 質問内容は、「人生において、勇気を持ってやって良かったことを教えてください。」

 おおお!事前に聞いてくれればいいのに・・・こんな質問、準備しないとできないよ・・・などと思いながらも私の番が回ってきました。

 私は思わず、「今の奥さんと結婚したことです。娘が生まれて良かった。」と反射的に答えてしまいました。

 そして、なぜかそれを言った途端、目に涙が溢れてきました。

 そうだ、私のあのときの勇気が私だけでなく、妻の人生を変え、そして娘の未来を紡ぎ出したのだ・・・皆に注目され、恥ずかしくて真っ赤になってしまいながらも、そんなことを考えていました。

 先生は、「そうですね、そうですね。勇気こそが、未来を変えるんですね。そのとき勇気がなかったら、そのときの未来、すなわち今はないんです。」とうまくまとめてくれました。

 他の親御さんたちも次々と、素敵なお話をしてくださり、教室中が盛り上がりました。

 授業の仕方まで未来的だな・・・子供たち、こういうのを理解できるだろうか?

 親の次は子供たちの番でした。

 子供たちには、「勇気を持って行動できなかった後悔について話してください。」という質問が投げかけられました。

 なかなか厳しい質問だな・・・子供たちはどう答えるだろ・・・?

 私のそんな心配をよそに、子供たちは自分たちなりの言葉を振り絞って答えていきます。ちゃんと分かるんだな・・・

 いじめの話、スポーツの話、恋愛の話などなど、出るわ出るわ・・・

 私は子供たちの力を侮っていました。質問の仕方次第で子供はいろんなことを話すんだな・・・

 そして私の娘の番が来ました。

 「小学校のとき、好きな男の子に最後まで何も言えずに終わったことです。断られたかもしれないけど、言わなかったから結局どう思われてるかわからずじまいでした。それが後悔。」

 堂々と答える娘の毅然とした姿に私は、内容に対する驚きよりも、安心感を覚えました。

 この授業は、私自身をも変えた気がします。普段から勇気を持って未来を切り開くことを意識しようと思います。後悔したくないですしね。(大阪・35歳・会社員・男)

 

 

投稿日: 2012/10/11 07:56:30 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

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