ヒールは健康に有害であることが判明

何年か前に、職場で女性がヒールを履くことが事実上強制されることに対して抗議運動”Kutoo”が起き、現在ではヒール強制は「働き方改革」の一環としてほぼなくなった。今回は、学術的にもヒール付きの靴が健康にも大きく悪影響があることが判明した、という話である。

カリフォルニア州のセント・メリー・メディカル大学の運動生理学専攻教授、ジョージ・ラクラル博士が、ヒール付きの靴は、健康に著しく悪影響があることを解明し、論文に発表した。

同博士は、ロサンゼルス在住の20代~50代の男女25名ずつ50名に1年間、5センチのヒールのある靴を履かせ、対照群には、まったくヒールのない”フラットシューズ”を履かせる実験を行い、健康への影響を調査した。

その結果、ヒールのある靴を履いた人々は、フラットシューズを履いていた人々に比べて不定愁訴を訴える率や欠勤率が高く、血液検査での値も、より悪い方向に有意に変化していたことが分かった。

同博士は、「人間はもともと、フラットに足を地面に着地させて歩行するように作られている。かかとだけ高くするのはあたかも、水平な地面に建っているエフェル塔の足の片側2本を10メートルもち上げるようなものだ。力学的に完璧な人体のバランスをそんな風にしてわざわざ崩すのは愚の骨頂で、今回はその弊害が明らかになったと言える。ヒールは確かに美しく見える面もあるが、あくまでその美しさは人工的な偽物だ。このようなデメリットがあるのに続ける理由がない。そろそろナチュラルビューティーを目指す時代ではないか?」と述べた。

これまでは、女性のヒールについての話題が多かったが、今回の調査で、ヒールが男女を問わず健康に悪いことが分かった。男性用の場合、ヒールが全くないフラットシューズはあまり作られていないため、今後男性用フラットシューズの市場が広がることが予想される。

靴文化評論家の影山義人氏は、「うーん、これから更にヒールがヒール(悪役)になるのが避けられないですね。私は個人的には自分が履くのも、女性が履くのもヒールは大好きなんですが、、、時代の波には逆らえないんでしょうか?ヒールなくなったら、脚の美しいシルエットはどう確保するんでしょう?あ、、それもデザイナーが活躍して解消していく問題なのかな・・・」と少々困り顔で語った。                 

今後ヒールは、”過去の遺物”になるのか?それとも生き残っていくのか?目が離せない。

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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