満員電車ゼロ案として、混雑度表示ランプ案を採用

 東京都政策企画局は昨日、去る8月31日から公募を開始して11月30日に締め切った「満員電車ゼロ案」の選考を終え、東京都杉並区の自営業、宇田川和明氏(55)からの「混雑度表示ランプ案」をグランプリとして選び、賞金300万円を授与するとともに、この案の実現に向けて、JR東日本や私鉄・地下鉄各社と共同して施策すると発表した。

 混雑度表示ランプ案とは、停車する列車の車両の扉ごとに、駅のホームに赤・黄・青の3色に光るランプを設置し、列車が到着する前から、その扉部分の乗客の混雑度を色分け表示することだ。混雑度の判定はいくつかの案があり、後述する。混雑度が高い上位1/3の扉前を赤で、中くらいの1/3を黄色で、空いている1/3を青で表示することになる。これにより、乗客は近くの空いている車両を選んで乗車することが出来ることになる。

 これまでも、朝夕のラッシュ時にホームで「左右を見て空いている車両に御乗車ください」とアナウンスされてきたが、考えてみるとホームで待っている乗客は左右のうち片側しか(通り過ぎた車両しか)見ることが出来なかった。しかも、一瞬の目視では、どの程度空いているかは判断困難であった。今回の混雑度ランプ表示により、左右どちら側も、しかももっと客観的に、混雑度を知ることが可能になったといえる。

 列車の各車両扉の混雑度を明示すれば、以下の3つの点で混雑ストレス緩和になるという。①:分散乗車により、激しく混雑した車両に乗ること自体の大きなストレスが減る。②:混雑度表示が車両内外から見られることにより、相対的に空いている車両の内部の乗客は詰めてあげることが想定される。③:激しく混雑した車両があると扉が閉まるのが遅くなり発車遅延が生じるが、それが防止されることで列車の増発が可能になり、さらなる混雑緩和が可能になる。

 混雑度の判定にはいくつかの案があり、A案:車両内に設置された温度計や湿度計を元にコンピューターが概算する。B案:車両内に設置されたカメラが自動的に顔の数を判別する。C案:位置情報の送信を許可している乗客のGPS送信を匿名化して判別する。の3案が提出されている。いずれも、数年前からスマホのカメラやウェブ上の地図の渋滞情報で利用されている手法だ。

 グランプリに選ばれた宇田川氏は言う。「自分自身が毎日、通勤ラッシュを経験しており、なんとかならないかと思っていました。車両を増やしたり二階建てにしたりするのは、金がかかるから難しい。でも、一両の列車における混雑具合を一定に近づけることが出来れば、猛烈な混雑だけはなんとか避けることが出来るし、乗客も我慢出来るんじゃないかと思ったんです。車の渋滞情報は進んでいるのに、それをなぜ列車で用いないのかなあと思ったことがヒントになりました。」

投稿日: 2017/08/21 18:16:25 (JST)

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コメント

良い案ですね〜!

私はラッシュ時はホームの端のほうで乗ることが多いのですが、駅によってはかえってその付近が混んでいるので、この案のようになったら分かりやすくて良いと思います。

こでまり (日付:

わかってもらえて有難いです。
ま、この案じゃなくてもいいから、ラッシュ対策してほしいですね。フレー、フレー、小池都知事。

Edward (日付:

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