ハイリスクハイリターン人材に注目

 大企業による、ギャンブルに強い人材の採用が広がる中で、今度は、いわゆるハイリスクハイリターンな選択ができる人材を求める動きが目立ってきた。

 これまで日本企業においては、ハイリスクハイリターンを選択できない人が多すぎて、企業自体がリスクのある新規事業への進出が遅れるなどして、急速に進む世界経済から取り残される傾向が続いていた。

 この傾向から離脱することを目的とした今回の動きの特徴は、「長期の住宅ローンこそが事なかれ主義のサラリーマンを増やした」とする、作家の平野啓一郎氏の分析を反映していることで、各企業が、最初から住宅ローンを締結する必要がないことを採用の条件にしたり、あるいは優秀な人材(基準はさておき)についてはその企業にいる限り住宅ローンを負わないで済む仕組みを作ったことである。

 住宅ローンが必要がないことを採用の条件にすることについては、金持ち優遇ではないかという批判もあるが、このような採用形態を取る企業はほぼ全て、これを条件とする採用枠と同じ数だけの経済的に苦しい状況の人を採用することで対応している。

 就職評論家の定家浩正氏は、「日本企業はリスクを取らないリスクを取りすぎてしまった。嵐のようなこの時代、リスクを取らないでじっとしていれば確実に波に飲まれてしまう。なんとしてでもハイリスクハイリターンな行動をする人材を増やさないとダメな状況にまで企業が追い込まれたということ。」と話している。

 

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

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