新幹線が琵琶湖の水中を駆け抜けるアクアエクスプレス構想

 北陸新幹線の敦賀-大阪の延伸ルートに関して、約3年前に小浜・京都ルートにいったんは決定されたが、同ルートではトンネルが多く割高で難工事になり、距離も長くなることから、先日、与党が開催した検討委員会で白紙撤回された。そこで新たに浮上したのは、琵琶湖の水中を通るルートだ。そもそも敦賀-大阪の最短距離は湖西ルートであったが、比良おろしと呼ばれる強風がネックであった。それなら、チューブ状に水中を通して強風を避ければよいという考え方だ。太平洋中を高速列車が走るという、手塚治虫の「海底超特急マリンエクスプレス」がアニメ化されたのは40年前だが、その湖版といえそうだ。

 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームでは、数年前にネット上で民間から議論された「湖上ルート」にも着目していたという。ただし、湖上ルートでは橋脚の建設や、強風防止のための防風柵などが必要でコストがかかる。それなら、レールごと沈めてしまえば良いという案に至ったという。

 琵琶湖北端から南西端の大津まで約70kmあるが、建設法としては、まずは長さ200m、幅10mほどのストロー状の透明なチューブを400本ほど用意する。チューブの両端はフタで閉じられている。次いで湖底に、チューブの受け皿となる台座を50mおきに設置する。その台座の上にチューブを次々に下ろしていき固定する。チューブの端と端を連結していき、約70kmの全長が完成する。最後にフタを外してチューブ内の空間をつなげ、そこにレールを設置することになる。

 こうして完成した新幹線の車中からは、琵琶湖内の魚などの水生生物を水族館を見るように楽しむことが出来る。世界でもまれな、湖の中を走るアクアエクスプレスがお目見えすることになりそうだ。なお、上述の「湖上ルート」案でも提出された、湖上の分岐部に駅(仮称:湖上中央駅)を新設する案も採用される模様であり、全長70kmの途中で1度、新幹線が水上に顔を出すことになる。

投稿日: 2018/11/16 18:05:26 (JST)

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