”買い物をする楽しみを取り戻せた”

 今流行の、スローショッピングを標榜する、広尾にある「ザ・スローショップ」に行ってみた。

 店内はいわゆる「エモい」内装で、入り口からワクワクするしつらえだ。自分がこのとき買いたかったのは、「Amazonでは売っていない、ビジネス書」。Amazonでは売っているビジネス書は、多くの人が読んでいるから差別化しにくい。

 このスローショップは、6階建て。本屋は5階にある。売り場に行くと、それこそ、レアな、リアルでないと手に入らない本ばかりおいてあり、元図書館司書のブックコンシェルジュが相談に乗ってくれるようになっていた。先ほどの希望を伝えると、長々と傾聴してくれた上に、おすすめの本を持ってきてくれた。これは、第二次大戦後GHQが禁書にした、日本人の精神を向上させるもので、普通のビジネス書よりも遥かにビジネスに役立つという。ビジネス書、と言ったのに、直接的にはビジネス書とは言えない本を持ってくるあたり、スローショッピングの醍醐味を感じた。

 トータルで、4500円と値が張ったが、ライバルが読まないレアな本を手に入れた私は、自分の力が確実に増す自信を感じていた。これは安い!

 そうだ。買い物とは旅なんだ。旅なんだから、プロセスをすっ飛ばしてしまったら元も子もないのだ。

 そんなことを感じる、スローショッピング体験だった。(吉行三郎記者)

投稿日: 1970/01/01 09:00:01 (JST)

※本記事は、対象となっている事柄について、無限に広がる未来の可能性の中のたった1つを描いているに過ぎません。 ですから、決して記事の内容を鵜呑みにしないでください。 そして、もし本記事とは異なる未来を想像したのなら、それを別の記事として書いていただけると幸いです。 このプロセスを通じて、私たちは未来についての視野を広げ、未来の可能性を切り開いていくことができるでしょう。

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